MORSETSについて

MORSETSの目的

MORSETS:MIO Ocean Radar data Site for Easter Tsugaru Straitは、津軽海峡東部の表面流況図を準リアルタイムで公表し、かつ2014年4月以降のアーカイブ流況データを提供するデータサイトです。国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)むつ研究所(MIO)が津軽海峡東部を取り囲む3箇所に設置した海洋短波レーダー局(北海道函館市大澗町、青森県むつ市大畑町、青森県下北郡東通村岩屋地区)によって観測されています。

地域水産業、海運業、防災減災、海難事故対応、および海洋環境変動研究に貢献することを目的としています。

MORSETSの内容

MORSETSでは、当該海域の海況に係る次の情報を閲覧することができます。

  1. 計測された津軽海峡東部表面の準リアルタイムの流況図:過去2日間に遡ってブラウザ上で確認することが出来ます。流況図の基になる数値データのダウンロードが可能です。ただし、観測後2年間の公開猶予期間を設けています。未公開データの利用については下記「お問い合わせ・ご意見送付先」までご連絡ください。

    注)ダウンロード出来るアーカイブデータには、未補正のものが多く含まれます。また、補正済みのデータであっても、観測システムの校正、補正方法の変更などによって予告なく更新されることがあります。

  2. 表面水温(SST)の分布:静止気象衛星「ひまわり9号」によって観測された最新の日表面水温分布を流況図上に表示できます。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の分野横断型プロダクト提供システム(JAXA/P-Treeシステム)からデータを取得しています。同衛星データを含む様々な観測値から算出された北西太平洋高解像度日別海面水温解析(HIMSST、出典:NEAR-GOOS地域リアルタイムデータベース)による推定値を表示することも可能です。衛星水温を優先し、雲による欠測海域をHIMSSTで埋める合成表示も可能です。
  3. 海浜計測ブイによる環境データ:漁業関係者の協力により海中に設置したブイで計測している水温等のデータ、および国立研究開発法人原子力研究開発機構の協力を得て観測している海上風のデータをリアルタイムで表示します。「定置観測詳細」には過去2週間の環境変化のグラフを表示しています。各データの帰属は「定置観測点詳細」に記載されています。これらは、研究を主目的とした観測であり、事前の通知なく観測場所を変更、観測項目を増減、或いは観測を中止することがありますのでご了承ください。なお、これらの環境データのダウンロード機能はありません。データの利用については各帰属機関にお問い合わせください。

MORSETSの質向上へのご協力のお願い

本データを利用して気付かれた点(実際の流況と合わない、等)や本サイトに対する要望などがありましたら、下記「お問い合わせ・ご意見送付先」までご意見をお寄せ下さい。データ検証現場観測の計画立案、データの補正や品質管理法の検討、およびサイトのページ構成の見直しなど、MORSETSの質向上の参考にさせて頂きます。

海洋短波レーダーシステムについて

海洋短波レーダー局は、海洋表面に電波を照射し、その後方散乱を受信しています。後方散乱で返ってきた電波の周波数が海面の動きによってドップラーシフトすることを利用して流況を計測しています。津軽海峡東部に設置された観測システムは、使用周波数13.9MHz帯の米国CODAR社製のSeaSonde海洋短波レーダーです。距離分解能は約3km、観測範囲は各海洋短波レーダー局より3kmから60kmで、観測範囲が2局以上重なっている海域での流況が得られます。海洋短波レーダーによる流況計測の原理についてさらに詳しく知りたい方は、藤井(2004)をご参照ください。

参考:藤井智史(2004)海洋レーダーの技術と歴史、沿岸海洋研究、4、73-82.

【えさん局アンテナ】

えさん局アンテナ画像

【岩屋局アンテナ】

岩屋局アンテナ画像

【大畑局舎とアンテナ】

大畑局舎とアンテナ画像

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