平成12年度海洋地球研究船「みらい」研究航海概要
1.航海番号 MR00−K08
2.航海名 赤道域における基礎生産力観測研究
3.観測研究の目的
暖水域は、二酸化炭素の放出が抑制され、また栄養塩が枯渇し低生産になる一方、沿岸域では河川からの栄養塩類の流入により高生産になるなど、炭素輸送の観点からプロセス研究を行う鍵となる海域である。また、東側では貿易風により深層から海水が昇湧し、栄養塩類が有光層内に運ばれるため高生産となることが知られている。この構造は、ENSOに呼応して大きく変化するが、生物学的によく理解されているとは言えない。そこで、暖水域から湧昇域を含む赤道域において、海洋生物光学的観測を衛星と同期して行う。
4.観測の概要
海洋表層における基礎生産力、新生産力、植物色素濃度及び栄養塩類、溶存酸素濃度、溶存二酸化炭素濃度、海中光など計測し、この海域の特徴を詳細に把握する。 また、海洋レーザ観測装置により光合成活性等の計測を試みる。科学技術振興調整費による「炭素循環に関するグローバルマッピングとその高度化に関する国際共同研究」の一環として実施するので、衛星データ(海面水温、海色)受信を行うほか、いくつかの測点では、海底直上までのCTD/採水観測、24時間培養などを行う。
5.主たる調査海域
西部熱帯太平洋海域(東経135度付近から西経165度付近、主に赤道上)
6.寄港地予定 (観測等の都合により変更も有りうる)
関根浜 → グアム → ホノルル → 関根浜
7.日 程
平成12年12月28日〜平成13年2月8日(43日間)
8.調査主任予定 河野 健
9.本航海計画の問い合わせ先
横須賀市夏島町2−15
独立行政法人海洋研究開発機構 海洋観測研究部
河野 健 E-mail:kawanot@jamstec.go.jp
TEL:0468-67-3427 FAX:0468-65-3202