資料3
                              





「みらい」を利用して取得されるデ-/サンプル
      及び成果の取扱い方針














        平成101

      海洋科学技術センタ-





1. データ/サンプルの公開及び帰属の原則
「みらい」を利用して得られる成果は、国民に還元されることが肝要であり、データ/サンプルも公共の物として可能な限り速やかに公開することを原則とする。ただし各航海に乗船し、デ-タ及びサンプルの取得を行った研究者は、当該航海における関連のデ-タ及びサンプルを優先的に使用することができる。得られたデ-タ及びサンプルは、原則として海洋科学技術センタ-に帰属するものとする。

2. 参加利用研究者およびセンターの義務
参加利用研究者は、それぞれの観測研究分野で必要な分析、品質管理、解析をおこなうために定められた期間(別表1)以内にデータ/サンプルをセンターに届け出ることを原則とする。ただし、社会的に速報性が求められるデータに関しては、利用条件を付けるなどして迅速に公表する。センターは、これらの届け出られたデータ/サンプルを適切に管理し、散逸を防ぐ義務を有し、データ/サンプルを適切な手段で一般に公開する。



3. 成果の取扱
「みらい」を利用して観測に参加した研究者は取得されたデ-タ/サンプルを用いた研究の成果を、乗船研究責任者及び、センタ-と協議のうえ学会、学術雑誌、報道機関等に公表することができる。その後、公表物(論文の別刷りや講演要旨等)をセンタ-に提出する。



4. データ/サンプル取扱いの流れ
 (1)航海情報データの取扱い
乗船研究責任者は、航海中に別に定めるフォ−マットに基づき、航海情報デ−タ、観測データ、インベントリー情報(デ−タ所在情報等)をまとめ、クル−ズレポ−トに添付して、センタ-に提出する。

 (2)データの取扱い
a.「みらい」を利用して取得されたデータはセンタ-に提出するまでは、参加利用研究者(必要に応じ観測技術員が補佐し)が管理する。
b.参加利用研究者は公開期限内にデータをセンタ-に提出する。
c.センタ-は、公開期限内に公開できるように、必要に応じて参加利用研究者と共同でデータの品質管理を行う。
d.データの詳細な公開方法は、センター内におかれているデータ管理業務検討会にて、今後検討する。

 (3)サンプルの取扱い
a.「みらい」を利用して取得されたサンプルは、センタ-に提出するまでは、参加利用研究者(必要に応じ観測技術員が補佐し)が管理する。
b.参加利用研究者は、公開期限内にサンプルをセンタ-に提出する。ただし、当面の間、サンプルリスト及び、その付随情報(所在、分配先、残量等)のみセンタ-に提出し、サンプル自体は、
 ・むつ事務所試料分析棟で保管可能なものは、同施設にて保管・管理する。
 ・同上で保管出来ないものは、各研究者が保管・管理する。
c.センタ-は、サンプル受取り時に研究者と相談し、サンプルの最適保管状態を決定し、保管・管理する。また、サンプルの採取及び保管状況等の付随情報をデータとして併せて管理、デ−タベ−ス登録を行う。
d.研究・分析方法によっては、サンプルは全く残らない場合もあり、その場合は分析データを管理する。



表1 「みらい」を利用して取得されるデ−タ/サンプルの種類と
   公開期限についての指針
デ−タの種類 公開期限 状態
・インベントリ−情報
・クル−ズレポ−ト
 (公開用の要約、図表の一部を含む)
航海直後
航海直後
文書及び、
 電子記憶媒体
・定常取得デ−タ
 XBT、CTD、船舶ADCP
 
 船上基本情報(船上LANの基本フォ−マットに取り込まれている情報;時刻、船位、船速、海上気象、表層水温・塩分、磁力、重力デ−タ等)
・気象/水路業務用デ−タ
 (WMO/IGOSS/IODEの取り扱いに準じる)
・船上分析、採水デ−タ
・測深デ−タ(マルチナロ−ビ−ムデ−タ、水路部には航海直後生データ提出) 

航海直後
180日以内
航海直後


観測直後

2年以内
2年以内

補正前数値
補正後数値
補正前数値


補正前数値

補正後数値
補正後数値
・個別研究デ−タ(特殊な分析、品質管理を要する)
 化学成分
 物理特殊デ−タ
 生物存在/活動デ−タ
 地形、地質、地球物理デ−タ

3年以内
3年以内
3年以内
3年以内

補正後数値
補正後数値
補正後数値
補正後数値
・時系列デ−タ
  トライトンブイ等
  水温、風速、気温、湿度、大気圧
         〃
  塩分、流速、雨量、日射


観測直後
2年以内
2年以内


補正前数値
補正後数値
補正後数値
・化学/生物の時系列デ−タ
 セディメント・トラップ・デ−タ

3年以内

補正後数値
サンプルの種類 公開期限 状態
・岩石サンプル
 サンプル分配先リスト及び、保管用サンプル
 基本的記載デ−タ(測点、大きさ、重量等)
 分析デ−タ等

−−−
3年以内
3年以内
 
・堆積物サンプル
 サンプル分配先リスト及び、保管用サンプル
 基本的記載デ−タ(測点、粒度、色等)
 分析デ−タ等

−−−
3年以内
3年以内
 
・生物サンプル
 サンプル分配先リスト及び、保管用サンプル
 基本的記載デ−タ(測点、大きさ、個体数等)
 分析デ−タ(種の分類、DNA等)

−−−
3年以内
3年以内
 
・海水サンプル
 サンプル分配先リスト及び、保管用サンプル
 基本的記載デ−タ(測点、深度、量等)
 分析デ−タ等

−−−
3年以内
3年以内
 


・デ−タ/サンプルの区分は、観測技術の進歩等により変更することがある。
・国際的プロジェクト等でデ−タ公開について規定がある場合、上記の公開期限に囚われないもの  とし、これより早い公開を制限するものではない。