平成13年度海洋地球研究船「みらい」研究航海概要
1.航海番号 MR01-K05
2. 西部熱帯太平洋・インド洋の観測研究及び大気_海洋相互作用に係る観測研究
3.観測研究の目的
南アジアから北東アジアに及ぶ地域において大きな社会的・経済的影響をもたらすモンスーン変動やエルニーニョの機構解明を目的として、西部熱帯太平洋及び東インド洋の暖水プール域における大気と海洋の変動について観測研究を行う。
海洋については、主にトライトンブイのデータを中心とした混合層の熱・水収支、運動量収支の観測を実施する。混合層のメカニズムに対する塩分効果、水平移流、赤道波動による収束・発散の諸問題を解明する。また南半球から暖水プール域へ、暖水プール域からインドネシア多島海を通じての西太平洋からインド洋への水・熱輸送の変動が西太平洋とインド洋の海洋循環に及ぼす影響について解明する。
大気については、ドップラーレーダー等により、降雨システムとその環境場の連続観測を実施する。これによって、熱帯海域における対流活動の組織化、規則性等の構造を解明する。同時に、対流活動に伴う雲、降水、風などが海洋にもたらすインパクトを明らかにし、対流活動を媒介とした大気海洋相互作用のメカニズムを解明する。
4.観測の概要
この観測研究では、 クルーズ全般を通して海洋及び大気の物理観測を主とする。
このうち航海の前半は、トライトンブイや中層ADCP係留ブイの展開を軸とした観測活動を行う。トライトンブイについては、東経130度上の3点、東経137(138)度上の4点、及び東部インド洋2点における設置及び回収を行う。また、ブイ展開点等において深度1000mまでのCTD(水温・塩分)観測及12リッター12本のロゼッタ採水を実施する。一方、航海の後半では、赤道付近の定点での停船連続観測を行う。この期間はドップラーレーダーの連続観測と、ラジオゾンデ、CTDの短周期観測(最短3時間毎)を行う。また、CTD観測時に随時採水を行う。
5.主たる調査海域
西部熱帯太平洋海域: 概ね 東経130度から145度、北緯8度から南緯2度の範囲内
: 概ね 東経 85 度から 95 度、北緯5度から南緯5度の範囲内
6.寄港地予定
関根浜 → シンガポール → ジャカルタ → パラオ → 関根浜
7.日 程
平成13年9月18日 _ 平成13年12月19日 (93日間)
8.調査主任予定
未定
9.本航海計画の問合せ先
<西部熱帯太平洋の観測研究>
横須賀市夏島町2-15
海洋科学技術センター 海洋観測研究部
水野 恵介 E-mail: kmizuno@jamstec.go.jp
TEL: 0468-67-3872 FAX: 0468-65-3202<大気_海洋相互作用に係る観測研究>
海洋科学技術センター 海洋観測研究部
米山 邦夫 E-mail: yoneyamak@jamstec.go.jp
TEL: 0468-67-5516 FAX: 0468-65-3202※ただし、米山は2000年6月13日〜7月6日まで「みらい」乗船中につき、この間のお問い合わせは、yoneyama@mirai.jamstec.go.jpまでお願いします。