平成14年度海洋地球研究船「みらい」研究航海概要

1.航海番号 MR02-K06

2.航 海 名
 ミッションA _ 大気-海洋相互作用に係る観測研究(レグ1)
 ミッションB _ 西部熱帯太平洋の観測研究(レグ2)
 ミッションC _ 赤道域における基礎生産力の研究(レグ2、3、4)

3.観測の目的
 ○ミッションA(レグ1)
 大気と海洋との間で水・熱エネルギーの交換が活発な西部熱帯太平洋海域(暖水プール)において、上空に発達する降水雲の発達・維持過程と降水が海洋に与える影響を調べることを目的とする。特にエルニーニョ現象との関連が指摘される季節内振動に伴う組織化した超雲団を構成する100km規模の雲群の詳細観測を目指す。
 ○ミッションB(レグ2)
  南アジアから北東アジアに及ぶ地域において社会的、経済的影響の大きなモンスーン変動やエルニーニョの機構解明を目的として西部熱帯太平洋及び東インド洋の暖水プール域における大気と海洋の変動について観測研究を行う。トライトンブイを中心とした混合層の熱・水収支、運動量 収支の観測を実施する。混合層のメカニズムに対する塩分効果、水平移流、赤道波動による収束・発散の諸問題を解明する。
 ○ミッションC(レグ2、レグ3、レグ4)
 太平洋赤道域における炭素循環とその変動について、植物プランクトンの役割など生物光学及び化学的な観点から観測研究を行う。栄養塩類のフロントの成因解明や、基礎生産機構の解明を目指す。

4.観測の概要
 ○ミッションA(レグ1)
  基本的に1箇所(東経138度,北緯2度を予定)で約3週間の停船観測を実施する。この間、ドップラーレーダーによる降水の連続観測の他、ラジオゾンデの3時間毎の放球、水深1000mまでのCTD観測、ADCP、一般 海上気象、雲底計などの連続観測を実施する。
 ○ミッションB(レグ2)
 トライトンブイ、中層ADCP係留ブイの展開が大きなウエイトを占める。トライトンブイ関係では、東経147度3点、東経156度6点の展開点での設置回収及び、必要に応じ既存展開点のメンテナンスを行う。海洋及び大気の物理観測を主とし、CTD(水温、塩分)は1000mまで12リットル12本のロゼッタ採水をブイ展開点等で実施する。
 ○ミッションC(レグ2、レグ3、レグ4)
 海洋表層(概ね200mまで)においてCTDおよび30リットル24本の各層採水を行い、基礎生産力、新生産力、植物色素濃度及び栄養塩類、溶存酸素濃度、溶存二酸化炭素濃度を測定する。また、海中光など計測し、この海域の特徴を詳細に把握する。さらに、海洋レーザ観測装置により光合成活性等の計測を試みるとともに、衛星データ(海面 水温、海色)受信を行う他、いくつかの測点では、海底直上までのCTD/採水観測、24時間培養などを行う。

5.主たる調査海域
 レグ1_東経135度から東経145度、北緯8度から南緯2度の範囲内
     (停船観測位置は東経138度、北緯2度を予定)
 レグ2_東経142度から156度付近、北緯10度から南緯5度の範囲内
     (トライトンブイ位置は、東経156度の北緯8度、北緯5度、北緯2度、赤道、南緯2度、南緯5度;東経147度の北緯5度、北緯2度、赤道)
 レグ3_東経156度付近から西経160度まで。北緯5度から南緯2度の範囲で、主に赤道上。
 レグ4_回航

6.寄港予定地
 関根浜 →(レグ1)→ グアム →(レグ2)→ チューク →(レグ3)→ ホノルル →(レグ4) → 関根浜

7.日  程
 平成14年11月13日〜平成15年2月13日(93日間)

8.調査主任予定
 レグ1 _ 米山 邦夫
 レグ2 _ 黒田 芳史
 レグ3 _ 河野 健
 レグ4 _ 河野 健

9.本航海計画の問合せ先
 横須賀市夏島町2-15
 独立行政法人海洋研究開発機構 海洋観測研究部
 ミッションA _ 米山 邦夫 E-mail : yoneyamak@jamstec.go.jp
 TEL:0468-67-5516 
 ミッションB _ 黒田 芳史 E-mail : kuroday@jamstec.go.jp
 TEL:0468-67-3472
 ミッションC _ 河野 健 E-mail : kawanot@jamstec.go.jp
 TEL:0468-67-3427
 FAX:0468-65-3202(共通)