平成20年度海洋地球研究船「みらい」主要課題概要


1.航海番号
MR08-05

2.主要課題名
北太平洋における生態系・物質循環研究

3.観測研究の目的
これまでの生物地球化学的観測研究で北西部北太平洋は生物活動に伴う二酸化炭素の吸収能力(生物ポンプ能力)が高い海域であることが明らかになってきたが、中層域(100-1000m。通称トワイライトゾーン)における炭素を中心とした物質の変質過程については不明な点が多い。同変質過程はトワイライトゾーン内の動物プランクトンや従属栄養細菌による分解や再生によるところが大きい可能性がある。また近年、動物プランクトンの日周/季節的鉛直移動や糞粒形成が予想以上に炭素循環過程に影響している可能性が指摘されてきたが、これまでのところ充分な観測データが得られていない。
 そこで各季節/複数年における生物学的データと溶存/粒状化学成分の大気−海洋間および海中での分布と輸送に関するデータを同時に取得し解析することで、北西部北太平洋における炭素循環における動物プランクトン等の生物活動の役割を解明する。

4.観測の概要
   北西部北太平洋の観測定点K2を中心とした複数地点で、晩秋期における動物プランクトンの種類と鉛直分布、日周鉛直変動、摂餌圧等を大型多段式プランクトンネットの曳網等により観測する。また採水器、現場ろ過器、係留系、漂流系を用いて海水中の栄養塩、炭酸系、植物プランクトン色素、天然放射性核種、沈降粒子/懸濁粒子等を観測し、同時期の炭素を中心とした物質循環過程と生物活動の役割について考察する。

5.調査海域
北西部北太平洋


6.日 程
平成20年10月13日 ダッチハーバー出港
平成20年11月10日 八戸経由 関根浜帰港(28日間)

7.寄港地
なし

8.主要課題提案者
喜多村稔 極限環境生物圏研究センター
 渡邉修一 むつ研究所
 本多牧生 むつ研究所

9.本航海計画の問い合わせ
喜多村稔 e-mail:
渡邉修一 e-mail:
本多牧生 e-mail:

10.備考
本観測研究は国際的な研究計画IMBER, SOLAS, PICES-CC等に貴重な知見を与えるものである。