生物サンプルの保管と運用について
- 課題採択研究者、生物サンプル保管管理者の方々へ -

ここは、JAMSTEC航海の課題採択研究者(課題メンバー)と生物サンプル保管管理者(生物サンプルを持帰って保管されている方々)に御理解頂きたい内容をまとめたページです。

  • このページは、JAMSTECに帰属する生物サンプルの取扱について書かれています。共同利用航海で採取されたサンプルの取扱については、 こちらを参照してください。
目次

基本となるルール

JAMSTECのデータ・サンプルの取り扱いに関する基本方針

  • JAMSTECの航海で採取されたデータ・サンプルは人類共有の財産です。個別の契約等がない限り、それらをJAMSTECに帰属させることで、広く利用可能な仕組みを実現させています。
  • 生物サンプルは、2009年度から、その基本方針に沿った運用を行っています。
  • JAMSTECのデータ・サンプルは、情報管理部署である研究データ公開技術グループが利用の窓口となっています。

生物サンプルの定義

「生物サンプル」とは、サンプルのうち、生死を問わない生物試料および生物試料からの分離・抽出物を指します。「生死を問わない生物試料」とは、生存、培養、凍結保管、標本などの状態にある生物試料を指し、「生物試料からの分離・抽出物」とは、生物試料から分離・抽出された、体液、DNA、タンパク質、脂質など生物の構成要素の試料を指します。生物試料からの増殖物、繁殖物も生物サンプルに含みます。
  • 海水や堆積物(泥)なども、生物利用目的で採取された場合には生物サンプルとして扱います。

研究課題に基づいたサンプル利用

  • JAMSTECでは審査で採択された研究課題のみが航海に参加いただいてます。
  • サンプルは研究課題に基づいて採取されるもので、その課題メンバーが利用できます。
以下の場合は、採択された研究課題とは異なる利用であるため、新たに利用申請が必要です。 <こちらを参照>
  • 採択された研究課題の範囲を超える利用
  • 採択された研究課題のメンバーでない方の利用

公開猶予期間(航海終了後2年間)

  • JAMSTECのデータ・サンプルの『公開』とは、データ・サンプルを課題メンバー以外の第三者に対して利用可能な状態にすることをいいます。
  • 航海終了後2年間は公開猶予期間として、課題メンバーが独占的に生物サンプルを利用できます。
  • ただし、メタデータ(何が、いつ、どこで採れた等の基本情報)は公開猶予期間に関わらず、迅速に公開されます(概ね下船後2ヶ月)。

同意書、メタデータシートについて

提出先

【 提出先 】

〒237-0061

神奈川県横須賀市夏島町2-15

海洋研究開発機構 研究プラットフォーム運用開発部門

研究航海マネジメントグループ 宛

E-mail:submit-rv-cruiseatjamstec.go.jp

  • 「同意書」と「メタデータシート」のご提出先は、情報管理部署とは異なりますのでご注意下さい。

課題代表研究者から提出いただくもの(航海前)

『生物サンプルに関する同意書(課題採択研究者用)』 書式のダウンロード

  • JAMSTECの航海により得られた生物サンプルを利用する時の条件について同意いただくものです。

首席研究者から提出いただくもの(航海終了後)

『メタデータシート(生物サンプル用)』 書式のダウンロード

  • 採集した生物サンプルのメタデータを提出いただくための専用シートです。
  • できるだけこの書式を使ってください。他の書式ではデータ項目の不足や不一致が生じる可能性があります。
  • 特に注意していただきたい点
    • 環境サンプル: 海水や堆積物(泥)なども 、そこに含まれる生物が目的で採集された場合はこのシートに記入してください。
    • 船上ID: 研究者がサンプルを特定するために船上でつけるIDです。情報管理部署はこれを頼りに研究者に問合せをいたしますので、必ず付けてください。
    • 保管管理者: サンプルを持帰った後に保管する方です。個人を特定してください。
    • 分取: 一つのサンプルを分取して複数の研究者で持帰る場合、別々のサンプルとして入力して下さい。
    • サンプル画像: サンプルを撮影した画像がある場合、大変有用です。シート中の記入欄にご記入の上で、画像ファイルを別途ご提出下さい(任意) 。

生物サンプルの保管

サンプルの保管

  • 生物サンプルは、それを採集した課題のメンバーの中で"保管管理者"となる方が持帰り保管してください。
  • 保管管理者には、10年間のサンプル保管をお願いしています。10年以降の対応については別途協議いたします。
  • 課題遂行のためであれば、サンプルを破壊・消費しても構いません。

サンプルの返却

  • 保管管理者によるサンプルの保管が継続できない場合は情報管理部署にご連絡下さい。サンプルを引き取りJAMSTEC内で保管するか、他の研究者に保管をお願いするなどの対応をいたします。

サンプルの寄託、譲渡(帰属の変更)

  • 個別に対応いたしますので、情報管理部署にご相談下さい。

データベースへの登録

データベースへの登録と公開

  • 航海終了後に提出される『メタデータシート(生物サンプル用)』をもとに、サンプルのメタデータを登録し、公開します。

登録票

  • データベースに登録したサンプルについて、登録票を発行し、各サンプルの保管管理者にメールにて送付します。
  • 登録票にはJAMSTEC No.(データベースの登録番号)が記載されますので、サンプルの管理や情報管理部署との連絡にご利用ください。

データの更新(ご協力のお願い)

  • サンプルの保管状況が変化した場合には情報管理部署へ連絡をお願いします。
サンプルの保管状況が変化する例
  • サンプルが消費されてなくなった
  • 保存方法が変わった
  • 保管場所、保管できる人が変わった
∗データベースで公開している情報が事実に合わなくなることを避けるため、情報更新にご協力をお願いいたします。

サンプルの画像について

  • ご提供いただいたサンプル画像(写真など)は、データベースに登録します。
  • 公開猶予期間(最大2年間)の後に公開します。
  • サンプル画像は、調査航海で取得されるデータと同様に、JAMSTECの帰属としています。
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二次利用の仕組み

二次利用(第三者の利用)へのご協力のお願い

  • データベースで公開されたサンプルは、第三者からの利用申請を受付けています。 <こちらを参照>
  • ご自分が保管しているサンプルに対して二次利用の申請があった場合に、提供へのご協力をお願いいたします。
  • 利用申請を受け付けると、そのサンプルが提供可能な状態にあるかを確認するため、保管管理者に問い合わせをさせて頂きます。
  • 利用が承諾となった場合、保管管理者の連絡先を申請者に伝えます。申請者から連絡があれば、送付の段取り等に関する調整をお願いします。
  • 輸送にかかる経費は申請者負担とします(着払い等)。
  • 生物サンプルの海外送付を伴う利用申請は、機構職員が代表者となるもののみを受け付けます。
  • 二次利用による成果についてはご連絡いたしません。

二次利用はサンプルの有効活用のための仕組みです。

皆様がご利用中のサンプルを無理に提供する必要はありませんが、分譲が可能なもの、当面使っていないサンプルに利用申請があれば提供にご協力ください。


情報管理部署にてサンプル利用申請を受理

情報管理部署が保管管理者へのサンプル現状を確認

情報管理部署が提供の妥当性を審査

情報管理部署から申請者へ利用可否を返答

<利用が承諾された場合> 保管管理者から申請者へサンプルを送付

問合せ先

JAMSTECの生物サンプルの利用に関するお問合せは必ず下記にお願いします。


JAMSTEC情報管理部署 ✉dmojamstec.go.jp

(横浜研究所 研究データ公開技術グループ)