資料‐3

平成16年度 深海調査研究計画委員会委員長及び実施計画調整部会部会長
ごあいさつ


 平成12〜14年度の同深海調査研究(公募対象は、平成13〜15年度)を推進されてきた玉木計画委員会委員長、並びに浦辺実施計画調整部会長に替わり、平成15、16 年度を担当することになりました計画委員会委員長の藤本並びに実施計画調整部会長の蒲生でございます。玉木委員長、浦辺部会長はこの3年間、今までの日本において類を見ないフェアーな公募方法を確立されました。この大きな業績と精神を引き継ぎ、 今後皆様にとって深海調査研究が有意義な公募システムとして更なる発展を目指したいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 さて、昨年度の委員会から引き継いだ懸案事項が2つあります。
1. 「シップタイムと旅費・研究費等とのリンク」については、科学研究費補助金(科研費)等への応募時期を勘案し、採択内示を10月上旬までに行うべく本年度公募を実施する予定でしたが、「かいこう」ビークル事故により公募開始が遅れ、11月中旬以降の採択内示となってしまいます。ただし、来年度からは必ず科研費の応募締切以前に内示を出したいと考えておりますので、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。
2. 「長期航海、遠距離大型航海」の実施については、過去の提案およびJAMSTEC 中期計画をまとめ、添付図のように以下の3つの大テーマに沿った課題を募集いたします。

深海調査研究中期戦略(案)


-拡大図(PDFファイル)-


(1)Ridge and Biosphere
研究対象: 熱水活動、Hydrology、Biosphere
対象海域(例): 南部東太平洋海膨、ラウ海盆、ロドリゲス三重点、アトランティスバンク、紅海、大西洋中央海嶺 等
 
(2)閉鎖的海域
研究対象: 生物、アノキシック堆積物
対象海域(例): スル海、オマーン沖、黒海、紅海 等

(3)Margins and Hotspots
研究対象: サブダクション・ファクトリー、サイスモジェニック・ゾーン、衝突テクトニクス
対象海域(例): チリ海嶺、海溝三重点、ポリネシア、オントンジャワ海台、台湾、サンギヘ、インダス、地中海、コスタリカ、カスカディア 等
 
     
 この大テーマに基づいて2〜3年に一度、上記海域における航海を計画します。


 ここで辛い報告をしなければなりません。すでに皆様ご存じのように、11,000m級無人探査機「かいこう」は、本年5月29日の潜航中、ビークルが行方不明になりました。そのため、平成16年度は「かいこう」装備のサイドスキャンソーナーとサブボトムプロファイラーのみの募集となります。

 その他については、潜水調査船「しんかい6500」、深海調査研究船「かいれい」と支援母船「なつしま」に搭載する無人探査機「ハイパードルフィン」または深海調査曳航システム4000m級「ディープ・トウ」並びに「シングルチャンネルサイスミックプロファイラー」の募集を行います。

 なお、現在海上保安庁、資源エネルギー庁並びに文部科学省で調整中の「大陸棚の画定」に向けた海域精査に関して、独立行政法人海洋研究開発機構もその調査に協力することがすでに決まっております。そのため、航海計画の一部が変更になる可能性がありますが、実施計画策定時に対処させていただきますことをご了承下さい。

 深海調査研究の公募が開始されて、今回が4年目になります。今年より新たなメンバーとなりますが、今後とも、世界に誇れる深海調査公募システムにしていきたいと考えています。そのためには、なによりも深海調査研究により、優れた研究成果が挙がることが必要です。引き続き、皆様のご理解とご協力をお願いします。

 


深海調査研究計画委員会 委員長 藤本 博巳
深海調査研究実施計画調整部会 部会長 蒲生 俊敬



平成16年度 深海調査研究課題及び乗船研究者の公募について