平成21年度海洋地球研究船「みらい」主要課題概要


1.航海番号
MR09-01

2.主要課題名
海洋大循環による熱・物質輸送とその変動についての研究

3.観測研究の目的
   10年スケール以上の気候変動では、海洋変動の影響が大であることが知られている。様々な海洋変動がある中で、本研究では地球温暖化と関連の深い人為起源CO2と熱の輸送と蓄積について取り上げ、それらの変動を定量的に把握することを目的とする。特に、人為起源CO2や熱の輸送に重要な働きをしている南極海起源の水塊に着目して調査を行う。本研究は、International Repeat Hydrography/CarbonとInternational Ocean Carbon Coordinationの国際的枠組みの下で実施される。

4.観測の概要
   CTD/O2/LADCPによる海面から海底までの水温・塩分・溶存酸素・流速の測定
二スキンボトル(12L)による最大36層の採水と船上分析(塩分、溶存酸素、栄養塩、炭酸系成分、フロン類等)
表層流速、海底地形、海上気象、大気中及び海水中CO2等の航路沿いでの連続観測

5.調査海域
太平洋海域、南緯17度線沿いの測線(WHP P21ライン)
東経125度から東経160度、南緯25度から北緯35度で囲まれた西部太平洋域


6.日 程
平成21年4月10日〜平成21年7月3日(85日間)

7.寄港地
出港地:バルパライソ、寄港地: パペーテ、ブリスベーン
 

8.主要課題提案者
村田昌彦(化学海洋学)

9.本航海計画の問い合わせ
〒237-0061 横須賀市夏島町2-15
地球環境観測研究センター、海洋大循環観測研究プログラム
化学トレーサグループ
村田昌彦
E-mail:
TEL:046-867-9503
FAX:046-867-9455

10.備考
   本航海では1990年代に実施されたWorld Ocean Circulation Experiment (WOCE)のOne-time観測に則った観測を行うため、JAMSTEC研究員と観測技術員が多数乗船する。また、EEZ入域に際し沿岸国の権利として代表または参加者が乗船する可能性があることから、「4.観測の概要」以外のシップタイム及び多数の乗船者を必要とする観測を実施することは困難である。なお、ブリスベーン—日本間では、停船しての観測は原則として実施しない予定である。
   本航海は来年4月上旬から開始する予定であるため、外国EEZ内での主要課題で想定されていない科学的調査に係る課題を検討する時間が限られている。そのため、主要課題で想定していない国のEEZ内での調査や、生物および堆積物等の採取等の沿岸国に資源調査とみなされる可能性のある課題については、実施が極めて困難な状況であることについて理解をお願いしたい。
   なお、「みらい」の日本出港が平成21年1月中旬となっているため、日本での機材の積み込みを行う際は、早期の準備が必要であることをご留意頂きたい。

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