タギリカクレエビは熱水噴出域に産するものとしては、最初に発見されたテナガエビ類である。全体は深紅色で、狭く短い額角をもつことなどから、近縁種と区別できる。現在のところ、本種は鹿児島湾東端の水深 90-115 m のみから知られている。Hayashi & Ohtomi (2001) は、本種が常に熱水噴出域に生育するサツマハオリムシおよび他の未同定種からなる管棲多毛類群集の内部、もしくはその周辺に見つかることを報告した。しかしながら、それらの多毛類とタギリカクレエビの関係の詳細についてはまだ明らかになっていない。