SG-OBIS-Ⅷレポート
2020/02/03
Eight Session
INVEMAR, Santa Marta, Colombia
5-8 November 2019
Executive Summary (translated by OBIS Japan)
Full document is available from here
IODE OBIS運営グループ
第8回会合
INVEMAR, Santa Marta, Colombia
2019年11月5-8日
報告概要 (OBIS 日本ノード翻訳)
完全な文書はこちらから利用出来ます。
第8回IODE Steering Group Meeting for OBISが2019年11月5日から8日にかけて、Marine and Coastal Research Institute (INVEMAR) の主催によりコロンビアのサンタマルタにて開催されました。会議には、21か国 (21のOBISノード) を代表して30名が参加しました。
2019年度は439のデータセットが新たにOBISに追加され、5,170種の新しい海洋生物を含む540万件の出現記録が登録されました。OBISに登録された海洋生物の出現記録は、合計で5,750万件、126,570種となり、データセット数は2,972となりました (1,000万件の不在記録と、200万件のふるい落とされた出現記録とを合わせると6,950万件の出現記録となります。) 。OBISの今年度の画期的な出来事としては、1月に新たな基盤および技術群である「OBIS 2.0」への転換が行われたことがあげられます。この新システムは、ほぼリアルタイムでノードからデータを継続的に取得できます。また、このシステムは、取り込まれたデータの自動処理 (品質管理) やデータベースへの統合を、数分から1時間以内で完了することができます。さらに、このシステムはWoRMS (World Register of Marine Species) と完全に連携しており、WoRMSに登録されていない種、または、非海洋生物として指定されている種の出現記録は自動的にふるい落とされるようになりました。情報ポータルでは、データ品質的問題についての詳細が表示されるようになり、また、機能が強化されたMapperではユーザーが何百万といった大量レコードを可視化し、フィルターをかけ、検索し、ダウンロードすることが可能になりました。
今会議で参加者は、OBISコミュニティから提供される (あるいは、コミュニティに期待される) 、現在の価値 (および将来の価値提案) について評価を行いました。そして、優先度が最も高い価値を提供する場合に必要となる活動が何か、を議論しました。これらは、タスクチーム、プロジェクトチーム、および事務局に対する明確なアクションリストおよび提言リストとして、OBIS運営グループメンバーが年間を通して協力していくという約束事とともに取り纏められています。
より具体的には、OBIS vocabulary infrastructureプロジェクトチームはBiodiversity Information Standardsグループ (TDWG) と共同で、OBIS上で使用されている語彙を評価・検討し、語彙録を作成します。加えて、vocabulary infrastructureプロジェクトチームは、語彙の識別子と連携するデータモデルにおける値のマッピングについて合意形成のための手法を開発・検証あるいは採用します。
OBISノードでのソースデータ処理からOBIS統合データベースへのデータパイプラインでのデータ処理といったOBISシステム全体を通したデータフローの文書化を終えるために、OBIS Data Quality Assessment and Enhancementプロジェクトチームが設立されました。品質評価 (あるいは使用適合性評価) のステップが文書化され、文書フォームとして整理され、そして、プロセスコード/関数の更新として反映されます。これらはOBIS Capacity Developmentタスクチームを支援することにもなります。このタスクチームはOceanTeacher Global Academyと共同で、OBISの新技術と手法におけるノードマネージャーおよびデータマネージャーの能力をレベルアップするための「Training of Trainers」認定コースを企画します。
2020年5月、OBISは20周年の節目を迎えます。この祝賀と広報の計画を練り上げるため、OBIS Communications and Outreachタスクチームの支援のもと、OBIS 20周年記念プロジェクトチームが結成されました。OBIS Communications and Outreachタスクチームはさらに、重要な価値提案についてのポリシーブリーフなどのアウトリーチ資料や、比較的シンプルな広報用品を作成する予定です。
OBIS運営グループは、OBISの名称「Ocean Biogeographic Information System」を「Ocean Biodiversity Information System」へ変更する案を満場一致で可決し、IODEマネジメントグループによる採択と、2020年6月のIOC理事会で名称変更を報告するよう求めることにしました。
主要な利害関係者との関係を強化し、OBISの今後の方向性に関する助言を外部ユーザーに求めるためのOBIS strategic advisoryタスクチームの初会合が、2020年前半に開催される予定です。なお、OBISノードマネージャーは、自国のGBIFノードやIPBESの各国担当者といった国または地域におけるパートナーとの強固な関係構築を求められています。
OBIS運営委員会はSG-OBISの共同議長として2期務めたEduardo Klein氏に深く感謝するとともに、新共同議長となるMartha Vides氏を歓迎します。
次回 (第9回) は2020年11月17日から20日の日程で、ベルギーのオステンドにて開催予定です。