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大阪湾海岸生物研究会が実施している大阪湾南東部の岩礁海岸生物相調査についてのデータセットが公開されました

2024/05/30

大阪湾海岸生物研究会は1980年代から継続的に大阪湾南東部の岩礁海岸の潮間帯において生物相調査を実施しています。調査結果は、大阪市立自然史博物館が発行する「自然史研究」誌で5年毎にとりまとめられていますが、今回、同調査のデータを生物多様性情報の国際標準規格であるDarwinCore形式として整形したうえで、BISMaLから公開されました。今回公表されたデータセットは、全調査期間のうちの1991年以降の調査結果に基づくものです。

本調査の特徴として、まず一つ目に長期間同じ場所、同じ方法で行われているという点があります。同一地点での長期間の生物相調査は、周辺環境の微少な変化の把握を可能とします。都市に近い大阪湾におけるこのようなデータは、人間活動が海洋環境に与える影響を知るうえで有用な情報となります。もう一つの特徴は、地域に根ざした専門家がリードして実施する市民参加型の調査であるという点です。現場で生き物の探索や種同定を専門家が指導することにより、調査データのクオリティを保ちつつ、海洋生物に関心を持つ人のすそ野を広げることにもつながっています。

調査についての完全な情報は下記にあります:
・大阪湾海岸生物研究会 1981.大阪湾南東部の岩礁海岸生物相とその特徴-1980年の調査結果-.大阪市立自然史博物館研究報告(35):55-72.
・大阪湾海岸生物研究会 1986.大阪湾南東部の岩礁海岸生物相-1981~1985年の調査結果-.自然史研究(大阪市立自然史博物館発行)2(2):35-49.
・大阪湾海岸生物研究会 1993.大阪湾南東部の岩礁海岸生物相-1986~1990年の調査結果-.自然史研究2(9):129-141.
・大阪湾海岸生物研究会 1996.大阪湾南東部の岩礁海岸生物相-1991~1995年の調査結果-.自然史研究2(12):167-179.
・大阪湾海岸生物研究会 2002.大阪湾南東部の岩礁海岸生物相-1996~2000年の調査結果-.自然史研究3(1):1-14.
・大阪湾海岸生物研究会 2007.大阪湾南東部の岩礁海岸生物相-2001~2005年の調査結果-.自然史研究3(6):93-106.
・大阪湾海岸生物研究会 2012.大阪湾南東部の岩礁海岸生物相-2006~2010年の調査結果-.自然史研究3(13):211-224.
・大阪湾海岸生物研究会 2018.大阪湾南東部の岩礁海岸生物相 - 2011~2015年の調査結果-.自然史研究4(2):17-38.

大阪湾海岸生物研究会による定点調査の様子(城ヶ崎 2022年4月17日)

公開されたデータセットに含まれる大阪湾南東部に位置する6調査地点(橙点)と位置の誤差範囲(水色)。
上写真:大阪湾遠景、下写真:調査地点近景

リンク

[大阪湾海岸生物研究会のHP]

[BISMaLで公開されているデータセット] Association for the Research of Littoral Organisms in Osaka Bay (2024 onwards). Rocky shore macrobiota of southeastern Osaka Bay: Results of surveys. Accessed on 2024-05-30.

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